白杖のあの子

初任校時代、
毎朝通勤中に必ず見かける小さなあの子はいつも白杖で初任校の隣の盲学校に向かっていた。
その反対側には保護者の方がいて、遠くからあの子を見守るように立っていた。
そんななんでもない日々のある日、
私のデフリンピック出場が決まり、
新聞に取り上げていただいた翌朝に突然、その保護者の方が声をかけてくれた。
初めてだった。

「デフリンピック頑張ってください。うちの娘は水泳が好きで、パラリンピックを目指してるんですよ」

あれから17年、
あんなに小さかったあの子は東京パラリンピックに日本代表選手として出場している。

名前は小野智華子選手。

応援してます!

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