先日の幼児のシコウ科では、複数のブロックを組み合わせて様々な図形を作り上げる「パターンブロック」を導入してみました。
これは子どもとの遊びの中で、楽しく自然にブロックの組み合わせや回転の感覚を身につけられます。
また、弊塾では遊ぶだけで終わらないよう意図的に、手話による言語活動を設けました。
見本カード「かに」と同じものを完成させることをねらいとする中、
必要なブロックを渡す前に「どのブロックがほしいの?」と、発問しました。
すると子どもは、自分がほしいブロックの色や形、大きさについて手話を使って私に伝えようとしていました。
また、トップ画像にあるかにの甲羅が見本と違うことに気づいて、
「ん?これ、赤が上で、黄色が下か」
と、手話で独り言を言いながらブロックを動かして確認していました。
その活動で見られた子どもの手話の形や動きを細かく分析してみると、複数の音韻を組み合わせていることが分かります。
日本語の音韻といえば、一般的には母音と子音がありますが、
手話の場合は、手の位置、手型、手の動き、手のひらの向きの4つです。
手のひらの向きは手型の中に含むという考えもありますが、ここでは4つとしましょう。
この4つの音韻を組み合わせることで、多くのことばを作ることができます。
例えば、手話単語「かに」の場合、
両手の位置→顔の両側
手型→ピースサイン
手の動き→はさみのような動き
手のひら→前方に向ける
となります。
それは聞こえる子どもが音声による環境の中で体や脳の成長とともに発達していく発音と同じように、聞こえない子どもにとっての手話の音韻もまた手話による環境の中で発達していきますし、コミュニケーションの伝達効率が高まります。