視考力を深めるための方法

ロジカルシコウカの活動の一つである『自分の頭の中にある考えを整理してすっきりさせる』活動事例を一つ紹介します。

算数文章問題
『ピカチュウは、車で10キロメートルはなれたビルへ行きました。午後2時に家を出て、2キロメートル走ったところで2時10分になりました。ビルには何時についたでしょうか?』

まずは上記の問題を絵図に置き換えます。
ここでは、塾生が問題に対して視覚イメージの再現が出来ているかを確認することが狙いですので、式や答えを書くことはまだこの時点では求めません。



絵図を見ますと、文章にある単語を順番に並べただけのような絵になっており、視覚イメージの再現ができていないことがうかがえます。
では、その視覚イメージを正しく操作するためにどうすれば良いか?
弊塾では、塾生と一緒に文章を一つ一つ確認しながら再度絵図を描くようにしました。
「ピカチュウはどこに行ったかな?」
「ビルまでは何キロ離れているかな?」
ここで視覚言語である手話が大きな役割を果たします。
手話単語「車」「ビル」などを共有した上で、右手と左手を使って空間的位置を確認しました。
「家を出たのは何時?」
「2キロ走ったね。この時の時間は?」
書記日本語で書かれている問題の読解と手話や指文字による言語活動を効率よく繰り返す活動はろう学校でも重要な手立てであると言われています。



2回目の絵図です。
1回目と違って、問題に対して自分なりに理解したことが絵図から分かります。
そして、問題が求めている答えを絵図の中で探し当てることができます。

「言葉のトリガー理論」といって、私たちは言葉のみで考えているわけではなく、日常生活のほとんどにおいて視覚イメージを使って何かを考えています。
それは算数文章問題も同じです。問題を解くためには、具体的に文章を絵図にした後で、求められている形に絵図を変形させることが必要です。
※今回の掲載について保護者様より許可をいただきました。感謝申し上げます。

参考文献:糸山泰造「12歳までに絶対学力を育てる学習法」,草思社,2007年9月

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